久しぶりに、体が震える本を読んだ。
『渋谷ではたらく社長の告白』を手に取ったのは、まだ学生時代。
「俺もいつかは起業したい!」
そんな想いを抱いていたときだった。
それから時はたち、形は違えども法人を立ち上げた。
滋賀という、ほとんどなにも知らない土地。
まだ、1年半。
現実は、思っていたよりも非情で、うまくいかないことも多い。
立ち上げてから今まで、様々な苦労があった。
そもそも全然食えない。
自分の実力不足なのは明白。
でも、どうすればいいかわからず、ずっともがいていた。
試行錯誤をしながら、次の一手、次の一歩へ向けて取り組む。
うまくいかず、他の方法を試す。
「一体、いつになったら出口は見つかるのか?」
不安感が体を覆い、身動きが取れなくなる夜もあった。
どこに答えはあるのか?
メンターに話しを聞いたり、本を読み、答えや気づきをもらう。
「見つかった!」
そのときは、そう思う。
でも、また見失う。
同じところをぐるぐる回っているような感覚。
進んでいるのか戻っているのかもわからないような、そんな気持ちになってくる。
「自分の能力が足りないんじゃないか?」
「向いてないんじゃないのか?」
ネガティブな感情が浮かんでは消え、また浮かんでくる。
そんな繰り返し。
先日、メンターにアドバイスをいただいた。
「こどもしゅっぱん社で食べられるようにしなさい。他のことは全てやめなさい」
選択と集中。
頭でわかっていても、なかなか出来ない。
なにより、「こどもしゅっぱん社で食っていくことは出来るのか?」という疑念が頭から離れない。
そうした中で読んだ本が、『起業家』だった。
サイバーエージェントは、他のネットベンチャーと比べても
順調に業績を伸ばしている会社だと思っていた。
けれど、この本には藤田晋さんの苦悩が余すことなく書かれている。
「藤田さんですら悩むなら、自分が悩むのも当然じゃないか!」
みんな悩んだり、葛藤したりすることがわかって心が軽くなった。
全ての創造は、たった一人の『熱狂』から始まる
アメーバが今日のような姿になることを信じていたのは世界で私ただ一人でした。誰も相手にしない、たった一人の孤独な熱狂でした。しかし、私が熱狂していなければ、アメーバはこの世に存在していなかったと思います。不可能を可能にするのが起業家です。
皆の反対を押し切っても、逆風にさらされても、窮地に追い込まれても、それでも自分が本気で熱狂しているものなら不屈の精神で乗り越えなければならないのです。
熱狂は、それを成し遂げるためであれば、さまざまな困難、孤独や憂鬱や怒りを乗り越える力を内包したものだと私は思います。
こどもしゅっぱん社は、おもしろい。
自分達がやっていることには自信をもっている。
でも、「本当に理解されるのか?」という不安もあった。
この本を読んで、どうすればいいのか。
今の自分がすべきことが、くっきりと姿を見せた。
「藤田さんがアメーバと心中する想いで挑んでいたのと同じように、自分もこどもしゅっぱん社に賭けないと!」
もしかしたら、うまくいかないかも知れない。
必死でやっても、全てが無駄に終わる可能性もある。
それでもいい。
まずは、目の前のことに必死になる。
誰よりも自分が、こどもしゅっぱん社に熱狂しよう。
突き抜けなければアメーバも、おれも終わりだ。
私はそう覚悟を決めていました。
しかしそれは、その道が正しいのかどうか、その先にゴールがあるのかどうかも分からないまま走り続ける、孤独なマラソンのようでした。
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