Pages

2011年6月23日木曜日

ヒヤリングのメリットとデメリット



<wikipedia>


ヒヤリング
【特定の事案に対して、利害関係人や一般の意見を聴取すること】



昨日は、
子どもが3人いらっしゃるお母さんに
ヒヤリングをしてきました。

いろいろ参考になる点をアドバイスいただき、
企画を考えるキッカケになりました。


ここで改めて、
ヒヤリングをするメリットとデメリットを
考えてみようと思います。



【メリット】


・当事者のリアルな視点

事業者側が「必要」だと思っていても
ユーザーには「あまり必要ではない」
ということも多々あります。


そのような気づき、リアルなニーズは
ネットや統計データにはなかなか現れてきません。
地域に特有の問題があったり、
1人1人の悩みや思うことなどは、
聞いてはじめてわかることがたくさんあります。


・応援団

思いや、事業内容に共感していただければ
いろいろな面で協力をしてもらえるようになります。

何より、僕たちがサービスを届けたい人からの、
「ぜひ作って欲しい」「応援しているわ」という言葉は
とても励みになります。


・閃きにつながる

話をしていて、
なにげない向こうの一言が
企画の内容を決めるヒントになったりします。

一人で悶々と考えて悩んだときなど、
リフレッシュの意味を込めて、話を聞くことで
思いもつかなかったアイデアが出てくることが多々あります。



【デメリット】


・独自の視点

その人自身の問題や悩み、
環境や経験からのアドバイスなので
狭い視野になってしまいがちです。


イタリアンのお店が、
「お寿司が欲しい」と言う人の要望を聞かないように
聞ける要望と聞けない要望を
自分たち自信で判断しなければなりません。

全ての希望に応えることは、不可能です。


・価格信仰

「もうちょっと安かったらいいなぁ」
と言う声は、よくいただきます。
それを鵜呑みにして、ただただ価格を下げるだけでは
事業として成り立ちません。


『いくらまでなら出せるのか?』
『価格の比較する対象(競合)はどこなのか?』

ただ安くして欲しいという意見ではなく、
なぜ、この価格で受け入れられないのかを明確にしましょう。

もしかしたら、
そこまで魅力的なサービスではないのかも知れません。
なにかのサービスと比較して、
相対的に高いと思ってしまっているのかも知れません。

値段の根拠を聞き、価格を変えずに
その問題を解決出来ないかを考えましょう。


・ターゲットではない可能性

ヒヤリングしている人は、
ターゲットだと思っているけれど
もしかしたらそうでないかも知れません。


30代の女性に、カルティエの値段に関してアンケートを取ると
彼女たちの年収によって意見は違うでしょう。


同じような人でも
年収、地域、趣味などによって趣味嗜好、欲しいものは分かれます。


僕たちのように、子育てするお母さん向けビジネスの場合は
”子育て理論”によって変わってくるはずです。

熱心な人は、より多くのお金をかけるかも知れません。
人と違うことを子どもにさせたがるかも知れません。


想いによって、
必要なサービスやニーズは変わります。

今、話を聞いている人は
本当にターゲットなのか?
もし違うなら、どうして違うのか?

そうやって考えていけば、
よりターゲットを絞ることができます。









まとめ


ヒヤリングは、絶対に必要です。
自分たちの考えだけで進むのはあまりにも危険です。

話を聞くことで、
必要なサービスを絞ることができ、
不要なサービスは削ることができます。

しかし、声に耳を傾けすぎてしまい
なにをしたかったのかがぶれてしまってはいけません。




スターバックスの”第三の場所”というコンセプトは、
顧客の声を聞いた結果として出てきたものではありません。
どんなに体系的に顧客の声を収集したとしても、
『第三の場所をつくってくれ!』というような
気の利いたことを言うお客さんはいなかったはずです。
『閉店時間をもう少し遅くしてほしい』とか、
『こういう新しいメニューを入れて欲しい』というような
”ニーズ”が出てくるのが関の山でしょう。
そうした”声”をいくら寄せ集めても、それはコンセプトにはなりえません。


『ストーリーとしての競争戦略』(始まりはコンセプト p289)



この本に出ている言葉を借りれば、
『答えは結局われわれの頭の中にしかない』のです。


いろいろなニーズを聞いたとしても、
それを必要か不必要かを判断するのは自分たちです。

ヒヤリングさせていただく人たちの言葉は、
毒にも薬にもなります。

事業に繋がるすごいヒントになることもあれば、
迷走するキッカケになることもあります。


自分たちのコンセプトが明確でないと、
そういった言葉に惑わされます。

話を聞くことも大切ですし、
ニーズを知るためにアンケートすることも必要です。

しかし、それと同じくらい
自分で考え、核となるコンセプトを考えることが重要だと思います。



【編集後記】

コンセプトがあいまいなままヒヤリングをすると、
あいまいな問いしか出来ないので、あいまいな答えしか返ってきません。
結果、消化不良になってしまう。
そんなことが多々ありました。

今思えば、
自分で考えることから逃げていたんだろうなと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿