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2013年12月17日火曜日

子どもの挑戦応援マガジンがある1日



タカヒロは、小学6年生。
勉強は得意で、テストの成績も良い。
この前、通っている塾の先生に「”こどもしゅっぱん社”っていう雑誌の取材を受けないか?」と言われた。
勉強をガンバっている子どもを取材したいという依頼が塾へあり、タカヒロに白羽の矢がたった。
当日、取材なんてうけたことがなくて緊張していたタカヒロだが、インタビューを聞きに来たのは大学生の女の人だった。(塾の先生と同い年くらい!)

「タカヒロくんにとって勉強とは?」「どうして、勉強がんばれるの?」「勉強を好きになるコツってある?」

今まで考えたことがない質問ばかりで困ることもあったけれど、なんかすごい人になったみたいで嬉しかった。

後日、雑誌を見た友達からタカヒロは声をかけられた。
「おいっ!これ、載ってるやん!」
恥ずかしいから誰にも言っていなかったのだけど、どうやら塾の先生がしゃべったみたいだ。

自分の顔写真が大きく掲載されているのを見て、とても恥ずかしい気持ちにはなったけど、タカヒロはまんざらでもなかった。
友達に「すげーな」と言われたのは久しぶり。
勉強が出来るのは当たり前で、誰も「勉強ができてスゴイね」と言ってくれなくなっていた。

だから、みんなから注目されるのは嬉しかった。

なんだか、タカヒロは少しだけ今までよりも自分のことを好きになっていた。

(ガンバっている子を取材することで、その子に自信を持ってもらう)


友達が休み時間に読んでいた”こどもしゅっぱん社”という雑誌。
見せてもらったシュージは、衝撃を受けた。
そこには、同い年の5年生がうつっていた。
雑誌の中で笑みをうかべる彼は、オリジナル紙飛行機を作ってすごい距離を飛ばしたことを自慢げに語っていた。

「オレでも、こんなん出来るわっ」

低学年のとき紙飛行機にハマったシュージは、誰よりも遠くに飛ばす折り方を知っていると自負していた。
でも、高学年になってきて、別に紙飛行機を遠くに飛ばすことはなんの役にも立たないことを知っていた。

なのに、この雑誌ではそんなことを、さもすごいことをしたかのように取り扱っている。

記事を見てからずっとシュージはそわそわしていた。
家に帰ったらすぐに折り紙を出して、紙飛行機を折ろう。
きっと、この雑誌の彼よりも飛ばせる!
そう思った。

(誰も注目しないような小さな「出来る」にも注目。読んだ子どもが、「自分ならこれくらい出来る!」と思い、行動するキカッケになる)



ミユキは、6年生を担任している小学校教員。

“こどもしゅっぱん社”という雑誌から依頼を受けて原稿を書いていた。
テーマは、『小学生時代の悩み』。

ミユキは、あまり活発な子ではなかった。
本ばかり読んでおり、クラスにもうまくなじめていなかった。
イジメられていたわけではないけれど、小学生時代に良い記憶はほとんどない。

自分の生徒に、そんな話をしたことはなかった。
話そうと思ったこともない。

だから、原稿の依頼が来たときには戸惑った。

けれど、悩んでいる子ども達の参考になるんならと思い、ペンを取った。
そのときに感じていたこと、辛かったこと。

今、同じような境遇の子たちへメッセージを書いた。
まるで、小学生の自分へ手紙を書くように。

数ヶ月がたち、原稿を書いたことを忘れていた頃に生徒から相談を受けた。
静かだが、勉強ができ、とても優秀なクラスの女子。

「先生。私も、実は自分が暗いの気にしているんです」

「えっ?私...も?」

どうやらミユキが書いた原稿を読み、共感し、相談を持ちかけてくれたみたいだ。

辛かったことを書くのは度胸がいったけど、こうして生徒は反応してくれた。
ミユキは、「書いてよかった」とつぶやくように言って、相談に来た生徒を席に座るよう促した。

(先生や大人からのメッセージも掲載。良いことだけでなく、失敗や辛かった経験をかくことで子どもが共感)



サクラは、マンガを描くのが得意で、将来は漫画家になれたらいいなぁと漠然と思っていた。

そんなことを、ふと友達のリンコに言ったところ、「じゃあ、今度こどもしゅっぱん社おいでよ!」と誘われた。

こどもしゅっぱん社とは、雑誌を作る教室で、リンコはそこへ毎週行っているようだ。

「イチローにそれ、言うたらええねん!」

どうやら、イチローという先生がいるみたい。

まだ5年で漫画家になるというのも漠然としか考えていなかったサクラは戸惑ったが、強引なリンコに押されて見学へ行くことになった。

授業の日、リンコから話しを聞いたイチローは、「そっか。じゃあ、サクラちゃんのマンガを雑誌に載せてみない?」と言ってきた。

今までノートに落書きのように書いたことはあったけれど、しっかり作品として作ったことはない。

自信はなかったけれど、「大丈夫やってー」というまたしてもリンコの押しに負けて、サクラは「はい」と答えた。

帰る際に、イチローは「2週間で作ってきて!」と言った。

「え?」

「いつかやろうと思っていても、いつかは来ないよ。期限を決めて作ろう。質は問わない。2週間でサクラちゃんが出来るものを作ってきてほしい」

これって宿題だよねと思ったけれど、サクラはドキドキしてきた。

頭の中ではすでに、どんなストーリーにするかを考えている自分がいた。


(挑戦したくなる機会がある。いつかやろうと思っていることをやるキッカケになる)



編集後記

上記のような結果を作るために、一緒に雑誌を作ってくれる人を募集しています!!
あなたの力が子どもたちには、必要です。
雑誌を作ったことがない人も大歓迎です。


【学生スタッフの仕事内容】
募集職種:雑誌編集者 及び 記者

・雑誌の作成(デザイン、構成、記事作成)
・子どもチャレンジ企画の取材
・小学生へのインタビュー
・子どもへの体験企画依頼
・地域の人たちへ取材(子どもへのメッセージなど)
・雑誌の設置交渉


【募集している人】
(応募条件)
・3月末の雑誌配布まで関われるかた
・滋賀でおこなう会議に参加出来るかた

(こんなかたを募集しています)
・子どもが好き
・子ども達を応援したい
・雑誌を作ってみたい
・デザインを学びたい

雑誌は、illustratorを使って作成をします。
使ってみたこともないかたも大丈夫!
デザイン講座などもスタッフ間でおこないますので、「やりたい」という熱意があれば出来ます!
完成したものは、商店街や学校などで配布する予定です。

【連絡先】
info@dlive.jp


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